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グアテマラ民族楽器紹介 99.11.2

 世界中には、いろんな民族楽器があります。日本での民族楽器と言えば、三味線、琴、鼓とかを指しますね。民族衣装もその土地によって色々な特色があるように、民族楽器にも特徴があります。残念な事に、民族楽器は民族衣装ほど形的にバラエティーに富んでいないので、一見して違いが判りづらかったりします。

 しかし、民族楽器は音を出すもの。同じ形をしても音階が全く違っていたり、弾くメロディが違ったりとさまざまです。日本の三味線と沖縄の三線は大雑把な形はよく似ていますが、そこで弾かれる音階は全く違ったりしますよね。

 例えば、私達がよく知っているヴァイオリン。ヴァイオリンは世界中に広がっているのですが、例えばインドではインド音階を弾く伝統楽器として扱われているのです。インドに行くとヴァイオリンが私達の知っているヴァイオリンと全く別の音を出しているので非常に驚きです。目隠しされて音を聞かせられた時、日本人100人中90人までがそれをヴァイオリンだと当てられないと思われるほど全く別の音、インド臭い音を出すのですね。ヴァイオリンも発祥地、形は同じであれど、そこで弾かれるものによってどこの民族楽器になるかが変わります。

 それが民族楽器の面白いところでもあり、難しいところでもあります。ウメはインドの民族楽器「シタール」の奏者なのですが、「民族楽器を弾いていても、その民族の音を出していなければ民族楽器とは言えないんだ!!」と日々自分に言い聞かせて練習していたりします。

 さて、グアテマラ。他の国と同じように、ここグアテマラにも民族楽器がありました。グアテマラシティのすぐ近くにアンティグアと言う世界遺産に登録された街があるのですが、そこに「Casa K'ojom」と言う民族音楽博物館があります。Casaはスペイン語で家。K'ojomはグアテマラ高原地帯の先住民族の言葉で音楽を意味するので、「民族音楽の家」、すなわち「民族音楽博物館」になります。そこに行って来ましたので、紹介してみようと思います。


Tun

2つの音階が出る楽器です。素材は木でできており、中は空間になっています。音は、長さを違えた2つの場所から鳴るようになっています。

日本でも、このような楽器を手作りしている人がいますね。


Tambor

木で作られた太鼓。皮の部分は動物の皮をなめしたもので作られています。形はここには丸型のものしか写っていませんが、四角いものもあるそうです。

 胴の部分は木で作られ、中が中空になっています。


ハープに似た楽器。名前は忘れてしまいました。弦は20本以上。弦の材質はプラスチックで出来ていましたが、その昔は動物の内臓を使っていたのでしょう。

全体の大きさは2Mくらい。材質は木で出来ています。胴の部分は中空で、音を拡大するために表の部分に2個所穴が開いています。


Marimba

 日本にある木琴とさして変わらない木琴に見えますが大分違います。グアテマラの木琴は、まず西洋音階ではありません。私が叩いてみたところ、所々合っている音があるのですが、音階自体が違っていて、弾いていると気持ち悪くなってしまいます。

 ですが、それがこっちの音階で、こっちの音楽はそれでないといけないのでしょう。この木琴は共鳴管が木で出来ていますが、ひょうたんで作られているものもあります。

 ひょうたんで出来ているものは、ひょうたんの下に小さな穴が開いていて、そこに蜜蝋が塗ってあります。それで共鳴を複雑にするのだそうです。


 この国には、ここで紹介した以外にも、バイオリン、フルートを始めとして、牛の角で作ったCuerno de vacaと言う楽器や、私達から見るとただの雑音を出す楽器に見えるMatracaと言う楽器や、色々民族食豊かな楽器があります。

モドル