「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

エクアドルで車を買う方法 2000.6.7

 長期旅行者が集まっているホテルスクレでは、毎晩毎晩自炊パーティーが開かれています。いくら海外が好きだと言っても私達はやっぱり日本人。毎日1回は自炊して日本食を食べないと気が済まないし、健康にもよくないとみんな信じています。

 そんな自炊パーティーのある夜。RideTandemの青山さんが「ねえ、車買って南米廻りません?」と言ったのです。長期旅行者達はあまりにも長く旅行しているので、バスに乗るのも飽き飽き、さりとて飛行機に乗るお金もない、でも移動するにはバスに乗るしかない…と、要はなんか新しいイベントや乗り物を待ち構えていたのです。

 そんな所にそんな話がでれば、当然話に花が咲くばかり。ついには本当に車を買って南米を廻る事になってしまいました。と言うことで、私達がエクアドルでどういう風に車を購入して、走り出したのか詳しく説明してみましょう。


1、どこで車を買うか?

 はっきり言ってエクアドルは車の値段が高いです。私達はエクアドルにいて仕方なかったのでエクアドルで車を買いましたが、本当はベネズエラやブラジルの様な車を自国で生産している国で買った方が安いらしいです。

 まず、私達はキト新市街の車屋を見て廻りましたが、最低でも3000US$。ちょっとマシな車になると10000US$とか平気で言って来ます。ただ、車屋の車はちゃんと整備されている物が多く、しかもピカピカ。また、名義変更やマトリキュラ(車両登録証)の手配もやってくれますので、スペイン語が不自由な人は車屋で買うとめんどくさくありません。


車市ではこんなバスみたいのも売っている。お値段は1500$と格安。 でも燃費最悪…

 スペイン語があんまり出来ないけど安く南米を車で旅行したいとか、スペイン語が問題ない人はキト市外で土日に開かれるFelia de carro(フェリア・デ・カーロ。日本語訳:車市)に行くと車屋よりは格段に安く車を手に入れる事ができます。

 フェリア・デ・カーロへは、キト市内にあるトロリーのマリン駅からGuamani行き(南の方へ行くバス)のバスに乗ります。南行きのバス乗り場はちょっとマリン駅から離れていますが、そこらへんの人に「フェリア・デ・カーロに行きたいんだけど…」と言えば問題なく判ると思います。

 フェリア・デ・カーロには少なくとも500台、多い時になると1000台くらいの車が集まります。フェリア・デ・カーロが開かれる場所は普段は普通の空き地なのですが、土日になると多くの人が車を個人売買するために集まってくるのです。日本だったらカーセンサーとかの便利な雑誌があって、どんな車が売られているのか、相場はどの位なのかすぐに判るのですが、ここエクアドルにはそんな便利な物はありませんので、フェリア・デ・カ−ロに行って聞いて廻るしかありません。

 ちなみに私達が行った時の相場は一番安い車でも1200$。ちょっといいのになると平気で2000$以上の値段を言って来ます。ちなみに一番安い1200$の車は非常に状態が悪く、年式は73年、運転席のドアノブはなく、エンジンを見るとあるはずのエアクリーナーがなく、キャブレターがそのままむきだしの状態でした。当然内装もぼろぼろで、日本だったらそのままゴミバコ行きです。

 私達は4人以上で南米を廻る事を考えていましたので、バンを中心に探しました。まず、一番始めにキト市内の車屋を廻ったのですが、そこで言われる値段は3000$から9000$までと非常に高い値段。フェリア・デ・カーロでは当然それよりも状態が悪いですが、1800$からバンがありました。トヨタ、ハイエースの85年式で大体3500$、77年式で大体2900$が相場だと思います。

 フェリア・デ・カーロには多くの人が集まり、多くの車が集まるので基本的に車の試乗はできません。車を買う時は、まずその場で値段交渉をして、電話番号と住所を聞いて、後日試乗と言う事になります。

2、購入&売買契約書の作成

 日本でツーリストが車を購入するのは非常に難しいと思いますが、エクアドルでは全く問題ありません。フェリア・デ・カーロに行って、値段の交渉をして、試乗して、問題がなければ車を買いましょう。フェリア・デ・カーロでの売買は基本的に個人売買なので、手続きは全て自分で行う必要があります。

 必要な手続きは…

  1. 現金の受け渡しと、車の引き取り
  2. contrato de compra venta(売買契約書)の作成
  3. 売買する時に発生する税金の納付(評価額の1%)
  4. matricura名義変更代の銀行への納付
  5. matricura(車両登録証)の名義変更

 以上の5つ。まず、車を買う事になったら、売る人と一緒に銀行に行き、お金を渡します。お金は基本的に現金渡しになりますので、現金を銀行から引き出したらすぐに売る人に渡しましょうまた、エクアドルではmatricura(車両登録証)がないとその車を運転する事が出来ません。matricura(車両登録証)は、日本の運転免許証と同じかそれよりも大切なものですので、必ずお金を渡した時点で受けとっておきましょう。車を受け取っても、matricura(車両登録証)がなければ、その車は運転出来ませんから。


contrato de compra venta(売買契約書)にサインしている所。

 お金とmatricura(車両登録証)の引渡しが無事に終わったら次はcontrato de compra venta(売買契約書)の作成です。contrato de compra venta(売買契約書)は、キトのアラメダ公園の後ろ側、オフィシーナ・デ・ブズガド(裁判書?)で行います。オフィシーナ・デ・ブズガドは12時に閉まってしまいますので、出来るだけ朝早く行った方がいいでしょう。

 contrato de compra venta(売買契約書)を作成するのに必要な書類は…

  1. 売る人のカルネ(市民証)のコピー
  2. matricura(車両登録証)
  3. 国際免許証のコピー
  4. パスポートのコピー
  5. contrato de compra venta(売買契約書)用紙

の以上5つです。contrato de compra venta(売買契約書)用紙はオフィシーナ・デ・ブズガド(裁判書?)の中のコピー屋で売っています。

 contrato de compra venta(売買契約書)は、売る人と買う人、売る人が結婚しているならば夫婦のサインが必要になりますので、車とお金の引渡しと同じ日にやるのが賢明です。contrato de compra venta(売買契約書)は、私達はオフィシーナ・デ・ブズガド(裁判書?)の中にあるコピー&代行屋さんにお願いしてやってもらいました。手続き料は70.000スクレ(2.8$)位です。

 contrato de compra venta(売買契約書)の作成が終わったら、その足ですぐ近くのbanco nacional de fomento(フォメント銀行)へ行きます。banco nacional de fomentoは、2時に閉まってしまいますので、contrato de compra venta(売買契約書)を作ったその足で行くのが正解です。

 banco nacional de fomentoに行って、何も言わずにcontrato de compra venta(売買契約書)を見せれば、そのまま手続きをしてくれます。納める金額は評価額の1%です。評価額は全年のmatricura(車両登録証)に書いてあります。

3、matricura(車両登録証)の名義変更

  matricura(車両登録証)の名義変更は、キト北部にあるjefatura provincial de transito de pichincha(交通局)で行います。交通局への行き方は、まずトロリーでキトの北側ターミナルまで行き、ターミナルでサン・カルロス行きのバスに乗ります。バスの運転手に「ヘファトゥーラ・デ・トランシトに行きたいんだが」と伝えておけば、そこの近くで降ろしてくれます。

 matricura(車両登録証)を取るには、交通局に車を持って行く必要がありますが、キト市内は一方通行が非常に多いですし、運転が荒いので、車で行く前に一度交通局に行って道の下見をしておく事をお勧めします。

 交通局でmatricura(車両登録証)を取るのはそんなに難しい事ではありませんが、多くの人がmatricura(車両登録証)を取りに来るので、非常に混雑します。出来るなら交通局には朝7時とかの早い時間に行く事をお勧めします。

 おっと。matricura(車両登録証)を取りに交通局に行く前に、必ず銀行に寄って、matricura(車両登録証)の申請料金を払っておきましょう。この手続きは売買契約書の税金払い込みと違って、どの銀行でも出来るようです。

 さて、9時ごろに交通局にゆっくり行くと、交通局の前から上の道路までmatricura(車両登録証)を取る車が並んでいます。基本的にはそのままならんでいれば良いのですが、エクアドルはラテン社会。なんだか知りませんが、横入りが横行します。隙を見せるとすぐに入られますので、ドライバーの人はずっと車の中に居た方がいいと思います。


陸運局の人がエンジン番号をとっている所。エンジン番号が書いてある所にカーボン紙を擦り付け、 その後にセロハンテープで写し取る。

 さて、無事に陸運局の中に入ったら、エンジン番号と車体番号を取ります。エンジン番号と車体番号は係の人がやってくれるので、全く問題はありません。ただ、エンジン番号と車体番号を書く紙になんでmatricura(車両登録証)を取るの?と聞かれますので、「車を買って名義変更したいから」と答えておけばまず問題ありません。

 係員の人からエンジン番号と車体番号を書いた書類をもらったら、後はみんなの後にひっついて列に並ぶだけ。matricura(車両登録証)を取る時はパスポートと、国際免許証を持って行った方がいいですが、コピーでも問題ありません。

 無事にmatricura(車両登録証)がもらえたら陸運局の前にあるパウチ屋(emplastico)さんでパウチしてもらって終了です。

 お疲れさまでした。 


エクアドルで車を買うための情報はここにもあります。併せて読んでください。

RideTandem…

http://homepage1.nifty.com/ridetandem/000528.htm

モドル