「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

コロンビアを車で走る 2000.6.30

 コロンビアに入る前、私達はコロンビアを走るのは危ないのでは?と思っていました。なんせ、外務省危険勧告3が全土に出ている場所。ゲリラがうようよ居るとか言う所。走っている時にゲリラに遭ったらどうしよう?とか、そんな心配ばっかりしていたのでした。

 「コロンビアを走っても安全ですか?」とエクアドル、キトの日本大使館に聞きに行こうと思いましたが、どうせ叱られるだけ。自前の車よりも数段安全と思われるバスで移動する人が大使館にコロンビア情報を聞きに行ったら、案の条「君!! なんでそんな危ないルートをとるんだ!!」と叱られたそうです。車だったら言わずもがなでしょう。

 まぁ、そんな状況ですので、コロンビアを車で走るのは私達もあまりお勧めはしませんが、誰かの役に立つかもしれないので、ここにその情報を残しておこうと思います。


コロンビアのガソリンスタンド。下が土なのはガソリンがこぼれた時危ないと思うのだが…

1、ゲリラ

 まず、一番心配なゲリラですが、カリの日本人宿「達磨」のオーナーによれば、ゲリラはまず問題ないとの事。私達がカリに入る数日前にもポパヤン→カリ間でバスがゲリラに襲撃され、燃やされているのを目撃した旅行者がいますが、ゲリラは現地人、若しくは現地の会社をターゲットにしていて、外国人は国際問題になるので基本的にターゲットにしないそうです。ここ何年も日本人旅行者が襲われたと言う話はコロンビアではありませんので、過度にゲリラを心配する必要はないと思います。

 ですが、先日コロンビアを50CCのバイクで横断してマサさんが残した情報によると…


パンアメリカンハイウェイ上の考えられる難関…

  • Past←→Popayan間210Km…夜間は超危険地帯。ゲリラや山賊はあらゆる手を使う。崖崩れを利用して車を襲ったりもしている。実際あらゆる所で崖崩れアリ。
  • Armenia←→Ibaque間…Ibaque周辺の山に軍検問あり。安全のためか?ゲリラがうようよいる。
  • Medellin←→Bogota間…要注意。度々ニュースでゲリラの被害が伝えられている危険ゾーン。車やトラックは焼かれます。
  • Bucaramanga周辺…誘拐("Secuestro"コロンビア人との会話での使用頻度高。)多発地帯。ELM(エーエレエメ)の活動活発!!
  • Sierra Nevada de Santa Marta周辺…この山周辺は世界でもトップクラスのマリファナが取れる事で有名。従ってゲリラの管理地域で、非常に危険です。
  • ベゼズエラ国境近辺…誘拐多発。外国人を狙ったものが多いらしい。ちなみにコロンビア国内で年間2000〜3000人が誘拐されています。

 幹線道路を外れればゲリラ、山賊遭遇率はぐーんとアップ。特にゲリラの支配している5つの都市と、その周辺の村には絶対に近寄らない。ちょっとおもしろそうだからと思って、バスや車が頻繁に通らない道は危険度大。コロンビアを無事に抜けるにはいかに危険率を減らすかがポイント。夜の走行は絶対に避け、車の修理も極力避け、通行量の少ない道は絶対に通らない事。ちなみにNeiva、SanAugstin周辺はかなりヤバイ。Popayan←→SanAugstin間でバスがよくゲリラの検問にかかっています。


と言う事なので、やはり危ないのかもしれませんね。

 上記の日本人宿のオーナーによるとコロンビアではゲリラよりも怖いのが、銃を持った泥棒だと言います。ゲリラは組織で自分達の理想のために動いているのでまず問題ありませんが、泥棒は本当に無法者に近いようです。ただ、銃を持った泥棒は南米どの国にもいるので、遭ったら遭ったで命があればいいやと思って諦めるのがベストでしょう。

 ゲリラ&泥棒を避ける一番の方法は夜走らない事と、ゲリラ支配地区&その周辺には絶対に立ち寄らない事。ゲリラ&泥棒は基本的に夜活動しますので。出来るだけ朝の早い内(と言ってもあまり早いとゲリラ&泥棒が出るので6時頃から)に出て、昼間距離を稼ぐ様にしましょう。

2、ペルミソの取得

 私達はコロンビアをエクアドルから入り、ベネズエラの方に抜けたのですが、コロンビアを車で走るにはペルミソと言うものが必要になります。ペルミソとは許可証の事で、税関の一時輸入許可証がそれにあたります。コロンビアに限らず、どの国も車を持ち込んで走る時はペルミソが必要になるそうです。


コロンビアでは本当に色々な種類の車が走っている。そんな車を見て楽しむのも車の旅ならでは。

 ペルミソはエクアドルから入国しコロンビア国内をカリまで走る場合と、エクアドル→コロンビア→エクアドルと移動する場合と、エクアドル→コロンビア→ベネズエラと移動する3パターンがあります。その他にもベネズエラ側から入る時のパタ−ンがあると思いますが、それはよく分りません。

 エクアドルから入国しコロンビア国内をカリまで走る場合は基本的にペルミソは必要ありませんが、コロンビア国内の検問でペルミソが無い事を理由に嫌がらせされる可能性が大。エクアドル→コロンビア→エクアドルと移動する場合は、コロンビア&エクアドル国境のエクアドル側の街トゥルカンのコロンビア領事館?(コンスレータとか言っていた)でペルミソを取得できます。

 エクアドル→コロンビア→ベネズエラと移動する場合は、コロンビアに一旦そのまま入国し、コロンビア&エクアドル国境のコロンビア側の街イピアレスにある税関(アドゥワナ)でペルミソを作成します。ただ、ここではそんな物は作れないと言われる可能性があるので、その時は「トゥルカンの領事館に行ったらここだと言われた」とか、色々言いましょう。なお、ペルミソは私達の場合税関でタダで取得できました。

 このペルミソ取得の条件や、取得する場所は色々変わる可能性がありますので、現地に行って色々聞いてまわった方がいいと思います。

3、面倒な検問

 コロンビア国内、特にメデジン周辺はゲリラの活動を防ぐ目的からか非常に警察や軍の検問が多いです。検問はゲリラの力が強い地域で頻繁に行われる傾向があるようです。

 検問をする警官&軍隊の人は基本的に制服を着ていますが、私服で検問をしている時もあります。私服の人だからと言って、「すわ!! ゲリラ!!」と思って、逃げない方が身のためです。先日、NorthenWalkers掲示版に以下のような書き込みがありました。

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コロンビアで兵士が住民に発砲、10人負傷(ロイター) [ボゴタ 18日 ロイター]
 コロンビア北東部ののアラウカ州で、国軍兵士が検問所を突破 したトラックやバイクに発砲し、住民10人が負傷した。 軍司令官によると、兵士は威嚇射撃のあと発砲した。軍は間もなく調査を開始し、兵士に問題があった場合は処罰する方針という。 コロンビア軍は左翼ゲリラの攻撃を阻止するため、検問所を設置している。

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4、ガソリンはエクアドル&ベネズエラよりも高い

 コロンビアのガソリンは隣国のエクアドル&ベネズエラよりも高めです。エクアドルでは一ガロン20000スクレ(80円)。ベネズエラでは一ガロン40円位。コロンビアは自国で石油を産出していないのでそれよりも高く、一ガロン2800ペソ(140円)位です。

 ですので、ガソリンはコロンビアに入る前に国境で満タンにしておきましょう。(^_^)

5、最後に

 コロンビアのドライブは、ゲリラ&泥棒にさえ遭わなければ道も非常によく、快適にドライブできます。アンデスの道も平野の道も、面積の割に人口が少ないので自然が非常に多く残っており、走りながら自然を満喫できます。ことにコロンビアに来る前に、チリやペルーなどの海岸砂漠地帯を走っているならば自然の美しさは心に沁みるようです。

 ゲリラに気をつけながら、ぜひコロンビアの美しい自然を満喫してください。

モドル