チリは、北は砂漠から、南は氷河まである細長い国で、長さは南北に5000Kmにもなります。そしてその多くの土地が太平洋岸に面しているのです。チリの県(Regionと呼ばれる)で海に面していない所はありませんし、現在ある多くの街がはじめは漁港や通商港から栄えたりと、チリと海は切っても切れない関係にあります。
チリの多くの街が海を抜きにして語れないのと同じように、食事も海産物を抜きにしては語れません。チリは世界の中でも有数な海産物の豊富な国なのです。
スーパーに行くと魚コーナーがある所も珍しくありませんし、市場に行けば海産物はふんだんにあります。漁船の船着場に行けば、小さな船いっぱいにとれた魚を驚くほど安い値段で磯売りしてくれます。そしてまた、その料理はともすると日本の海産物料理よりも豊かであるかもしれません。
料理は旅の食卓の方を見ていただくとして、ここではチリにはどんな不思議な海産物があるのか、そしてそれはどんな味なのかと言う事を中心に紹介していきましょう。
ピコロコと呼ばれるフジツボ。日本人はフジツボを普通食べませんが、チリ人は食べます。ピコロコは、日本のそれに比べて非常に大きく、大きな物で一匹(1個?)5cmくらいある物もいます。
ピコロコは外側にある固い殻の中の身を食べるもので、固い殻は当然食べません。(^_^)食べ方として一般的なのは、海鮮スープにして食べるか、茹でた後にレモンを搾ってかけるかですが、私達は後者の方法を試して食べてみました。
ピコロコの味は「蟹肉の味が薄いもの」と表現するのが1番ぴったりしていると思います。基本的に美味しいものですが、もともとが海岸にへばりついているものなので、砂が多いのが難点です。
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ウテと呼ばれる日本では見た事もない海草。最初見た時はなんかの管かと思ったのですが…。
手触りはぬるぬるしつつ、柔らかい感じ。通常、茹でたりせず薄く切ってサラダとかにするそうです。熱を加えたりせず、そのまま食っても良いし、炒め物にしても美味しいとか。
私達も生のものを食べてみましたが…ゲテモノを色々食った私でもなかなか味わった事のないイヤな味でした。
食べる前に口の前に持っていくと、海草なまぐさ臭が鼻につきます。思い切って口に入れると、コリコリ感のない「ういろう」のような食感。味はそんなにありませんが、時々軽いアンモニア臭が広がります。まとめると海草なまぐさアンモニアういろう…。とても食えた物ではありませんでした。もう一度食えと言われても食う気は全くわきません。(;_:)
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ピウレと呼ばれるホヤの一種。市場で買っても250gで1000ペソ(200円)を非常に高い値段の高級品です。
ピウレは生食もしますが、日本の帆立の貝柱の様に乾燥させて食材にしたりもします。生食の場合は、酢でしめて、セビッチェと呼ばれる料理にして食べたりすると思うのですが、私達は食べなかったので、ホントの事は分りません。
ちなみに、チリ、ビーニャデルマルの日本人宿のオーナー山岸さんは醤油をかけてそのまま食べるのがお好みだそうです。味は非常にクセがあり、食べられない人も多いとか。
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モドル