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サンパウロの七不思議 2000.9.12

不思議1、地下鉄の切符売り


これがサンパウロの切符売り。売っているチケットはどこから持ってきたモノなのか…

 サンパウロの地下鉄の駅前には必ずと言っていいほど、切符売り屋台が立っています。切符売り屋台は正規よりも当然安い値段で切符を販売していますが、あまり買っている人を見たことがありません。それもそのはず、切符売り屋台で買った切符は使えない事があると言う噂が広まっているからです。使えなかったら大損なので、ケチケチな私達もさすがに手を出したくはありません。それでも彼らは毎日切符売り屋台を出しつづけるのです。

 地下鉄のキップはどこからそんなに流れて来るのでしょう? 私達は始め、「切符をあまらした人が売るんだよ」と言っていたのですが、あまり売っている人もなくそう言う風でもありません。誰かが横流ししていると言う事も考えられますが、切符売り屋台に並んでいるキップの量は相当なもので当然足が付く筈。

 色々考えてもフム。どう考えてもフム。全然答えが出てきません。この仕組み、どうなっているのでしょうね?

不思議2、コピーCD屋

 サンパウロだけではありませんが、南米の多くの街ではコピーCD屋が堂々と店を出しています。日本だったら開業して10分もしないうちに手が後ろに廻るはずですが、南米のどの町でもコピーCD屋が捕まる気配はありません。

 コピーCD屋にも実は色々な種類があって、一番多いのは音楽コピーCD屋。ブラジルで正規のCDを買うと安くても20ヘアル(1200円位)するのですが、コピーCDは5ヘアル(270円位)。次に多いのはコピープレイステーションCD屋。プレイステーションのCDをコピーして売っています。通常のプレイステーションは当然コピーCDでゲームが出来ない様に対策が施してあるのですが、世の中上手くしたものでそのコピープロテクト解除機を取り付けるお店もあるのです。

 そして一番少ないのがコピーパソコンアプリケーション屋。パソコンのアプリケーションをコピーして売っています。フォトショップからイラストレーター、AutoCAD、MSオフィス2000、Windows2000等々。高額ソフトで手に入らないものはない!!と言った感じです。

 一見便利そうなコピーCD屋さん。実は中身が入っていない事や、上手く再生できない事があるともっぱらの評判なのでした。ちゃんとしているけど高い正規版と安いけど上手く再生できないかもしれないコピー版、あなただたらどっちを買いますか?

不思議3、Sogoプラザ

 SOGOプラザと書いて、SOGOではない。SOGOはSOGOと読まないで、SOGOと読むのです。と言っても何の事かわかりませんね。実はサンパウロ、リベルタージにはあの先日倒産した日本のそごうと綴りが一緒なショッピングセンタービルがあるのです。綴りは一緒でも、ブラジルのSOGOはそごうと読まずにソゴと読むのでした。

 初め見たときに、「ねえ、あれって日本のそごうとなんか関係あるのかな?」と言っていたのですが、どうも全然関係ない模様。SOGOプラザは日本のそごうにあやかって名前をつけたのか、それとも適当につけたらそうなったのかはなはだ疑問なショッピングセンターなのでした。

不思議4、0.5ヘアルのホットドック屋

 0.5ヘアル(30円)で買えるもの…タバコ3本?うん、確かにタバコは買える。地下鉄は、1回1.2へアルだから乗れないね。ビールは1ヘアルもするし、ジュースだって同じ値段…。でもサンパウロには0.5ヘアルで食べられるホットドック屋さんがあるのです。

 そもそも0.5ヘアルで買えるものなんてたかが知れていて、下手をするとパンすら買えません。私達がホットドックを作ったらきっと原価1ヘアルは越えてしまうでしょう。正直、どうして0.5ヘアルでホットドックが売れるのか疑問で仕方ありません。

 ホットドック屋の中には何とソーセージを2本もつけてくれる所もあったりして、一本食べると大満足。お金も減らないし、腹は膨れるし言う事なしなのでした。

不思議5、日本語を喋れそうで喋れない人達

 ここサンパウロには、日本人みたいな顔をした人達がいっぱい居ます。この街に始めて入った時、あまりにも日本人顔をした人が多いのでウメはびっくり&恐く思ってしまったほど。日本人顔をしていれば日本語は喋れるもの…と思ってしまいますが、意外や意外、それがそうでもないのです。

 日本人の顔をしているからと言って、日本語で話かけてみると、首を振る人が意外に多いのです。日本語の看板を出しているお店などでも、実は日本語が喋れなかったり。

 先日、青山さんが日本に帰る折りにこちらの旅行会社を使ったのですが、始めいかにも日本人と言う人が出てきたので、「あのーー。日本への往復チケット買いたいんですけど」と言ったらその子は全然日本語が分からず、その代わりに金髪の人が出てきました。その金髪の人が「はい。日本への往復チケットですね」と流暢な日本語を喋ったのには非常に驚いたそうです。

 顔でどの言葉を喋るか判断してはいけない…ブラジルで心掛けておかなければいけない事の一つかもしれませんね。

不思議6、黒人と白人のカップル

 これは不思議と言うよりは、素晴らしい事の様な気もしますが。ブラジルは、非常に人種に寛容な国だと私は思います。特にサンパウロでは、肌が黒い、白い、髪の毛が黒い、赤い、白い、金色等の違いは個性として人が持っているだけで、それが差別に結びつく事はほとんどありません。

 南米のどの国でも私達は「チーノ(中国人)」と言われ、いつも差別されている、バカにされていると言うのを感じながら旅をしていたのですが、ここブラジルでそんな事を言われたのは1回もありません。またサンパウロを歩いていて、自分たちが外人だ、ツーリストだと言う気がした事もほとんどありません。街を歩いていると「ねえ地下鉄の駅ってどこにあるの?」と道を尋ねられる事もしばしば。そんな質問の後、「僕らはここでは外人ではないんだ」としみじみ実感するのです。

 街に一歩出てみると、本当に色々な人達が歩いています。地下鉄に乗ると本当に「色々な人がいるなぁ…」とため息をついてしまう程。ある日地下鉄に乗っていた時に、黒人と白人のカップルを見かけたのです。誰ともなく「ああ、あれが一番ブラジルを象徴しているよね」と言っていたのでした。実は白人と黒人のカップルを見る事はアメリカでも無い事なのです。

 人種が混ざり合い、人種と言う言葉が意味を持たなくなった未来の地球の姿がここにある、そう感じるのです。

不思議7、同じ試合でも金額が違うサッカーチケット

 先日、私達がペンション荒木と言うサンパウロの日本人旅行者が集まる宿でゆっくりしていたときの事。サッカーを見に行った人が不思議な顔をして帰ってきました。「どうしたの?」と聞いてみたら、「いや、実はサンパウロ、コリンチャンス戦を見に行ったんですけどね、同じ場所のいすでチケットの値段がチームによって違うんですよ」と言うのです。

 「何で?」と聞いても、「いや、さっぱり」というばかり。サンパウロで一番有名なモルンビ―スタジアムは、席は3階層に分かれていて、一番上の席が一番安く、大体10ヘアル(600円)位。中段、下段はもっと高くなっているのですが、その試合はサンパウロ側の上段席が5ヘアル、コリンチャンス側の上段席が10ヘアルだったそう。

 「何で同じ試合、同じ席なのに値段が違うんだろう?やっぱり、ファン層の違い(ブラジルでは下中上流階級で応援するチームに違いがあると言われている)で値段に差をつけるのかな?」と言ったのですが、「いやそうでもないと思うんですよね。だって、コリンチャンスって一番最下層の人達のファンが多いって言うし…」と言う答え。

 いくら話してもその理由がさっぱりわからず、本当に不思議なのでした。 

モドル