「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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寛容とやさしさ―ブラジルを旅してみて― 2000.9.30 ブラジルは広い。本当に広い。ただただ広い。 それがブラジルを北から南まで縦断してきての単純な感想でしょうか。一番近い大都市のリオデジャネイロから、サンパウロまでが300km。ちょっと観光しようと思うとすぐに1000kmは走らなくてはいけない国。この広さがブラジルの何と言っても一番の特徴なのだと実感しました。
ブラジルはただ広いだけではありません。ブラジルに初めて入った日に感じたのはやさしさと明るさ。普通、国境の役人や、国境の町はイヤな奴が多いものですが、ブラジルの役人はみんな笑顔。国境の町で現金が引き出せなくて困っているときには、おんぼろ牛次郎を近くの銀行まで先導してくれる人がいたり、とにかくブラジルは困っている事があると間違いなく誰か助けてくれる国でした。ブラジル人のやさしさはベネズエラから入ってきたばかりの私達の心にしみわたる様だったのです。北から南まで縦断してもそれは変わる事がありませんでした。 私達が今滞在している街、そしてブラジル最後の街フォス・ド・イグアスは世界3大瀑布の一つイグアスの滝があることで有名なのですが、この街は人種と文化と言う視点で見るとひどく面白い街の一つです。なんとフォス・ド・イグアスにはモスクがあるのです!!しかもすごく立派なモスク!! 南米で唯一のモスクだと思います。さすがブラジル、何でも受け入れてしまう国ブラジル。モスクまであるとは…。 モスクがあるという事は、当然イスラム教国の人達が移住してきているわけで、私達が泊っていたホテルの2つ横の商店はレバノンから移住してきた方々が経営していました。 そこでは、日本人街で味噌が買え、日本茶が買える様に、当然の様にして店の外で水タバコを吸っているアラブ系のオヤジがいて、「ここはどこの国?」状態。 また、スーパーに行くと、スカーフをかぶった女の人が買物をしていて その横をブラジルの開放的な女の子が歩いていると言うとても不思議な光景にお目にかかれます。開放的な女の子よりも、スカーフをかぶった女の子の方に色気を感じてしまうのはなんでだろう?とか思いつつ、その不思議な光景を見ていました。 北から南まで縦断してきて思ったのは、ブラジル人の底知れぬ寛容さでしょうか。サルバドールの黒人文化、リオのカリオカ達の文化、サンパウロの日系文化、フォスドイグアスのアラブ文化…本当にこの国は何でも飲みこんでしまう国なんだと。 簡単に受け入れてしまって、しかも移住してきた人達はブラジル人の心を理解&自分のものにしている…ブラジルが何と言う国なのか…とんでもない国を旅行したような気がします。 今後100年とか200年とか言った視点で世界の人種の流れを考えると、世界規模で混血がより進んだり、多種多様な人種が同じ国に住んだりするケースが増えると私は考えています。そして1000年後、もはや人種と言う言葉が意味をなさなくなる世界が来るのではないだろうかと。そう行った世界が現われたとき、そこが現在のブラジルの様な寛容でやさしい世界なのだと思えばとても未来に希望が持てると思うのです。 |