「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記インド編 2001.3.26(月) タブラの皮紐を締めなおしてもらった帰りに「ジャキラ」と言う映画をみた。ポスターからするとアクションものらしい。チケットを買いに窓口へ行くと、小さな手を入れる窓が3つあり、それぞれ違うことが書いてあり値段も微妙に違う。この違いはなにかしら・・・と思っていると、目ざとい窓口のオヤジが金網越しに「一番安いのは、前のほうの見えにくい席。真中は一階の普通席。一番高いのは、2階の家族席だ。ちょっとしか変わらないから、家族席にしたら?彼女もいるんだし・・・」と説明してくれた。でも、普通のインド人と並んでみたいと言う、うめちんの要望でインド人がたくさん並んでいた、1階の普通席チケットを買う。しばらく待つと開場した。いい席を確保しようと我先にと館内に流れ込むインド人に押されながら館内へ。段差のない床に、整然と並んだ古ぼけた椅子。やけに大きなスクリーン。昔、小さい頃に行った田舎の映画館みたいだと思った。入り口で呆然としていると、係員が席を探して案内してくれた。結構、席は空いていた。あれ?なんか、男の人しかいないねぇ・・・なんとなくいやな予感がしたので、一番端の席に勝手に移る。3時30分ちょっきりに電気が消えていきなり映画は始まった。 警察のジープが疲れ気味のオジサンを乗せて瓦礫場を走っている。どうやらこの疲れ気味のオジサンがヒーローで「ジャキラ」と言う名前らしい。突然、そのオジサンが横にいた警官を車から殴り落とし、運転手に襲い掛かる。そして、なぜか車を捨てて、他の警官が乗ったジープから走って逃げる。ジープで追いかける警官は、散弾銃を散々発砲。挙句の果てに手榴弾まで使う始末。どう見ても当たっているのに死なないヒーローが、なぜか瓦礫場にいた乗馬用の馬に飛び乗り逃げてしまう。そんな、へんちくりんなシーンで始まった。突然シーンが変わり、ジャキラを眼の敵にしている悪人登場。ジャキラと散弾銃で対決した後「お前ら打ち合わせしたろ!」と突っ込みたくなるようなトロイ殴り合いシーンで、ジャキラの勝利に終わり「覚えてろよ(ほんとにそう言ったかわからないが・・・)」と定型のせりふをはいて悪役尻尾を巻いて退散。 またまた話は変わって、川で黒のブラジャーにパンティ姿の太目の女性が水浴びをしている。そこへ、筋肉隆々と言うか、太目のオジサンが川の中からやってきて、いきなり女性を押し倒し、ブラジャーの紐に手をかける。レイプシーンだった。が、ブラジャーははずされることはなかった。抵抗する女性に覆い被さり「おりゃおりゃ」と揺すぶるだけ。当の女性は「キャーあう、あう」と揺すぶられ、揺れる胸の谷間がスクリーンいっぱいにアップされて、そして何もないままに首を締められ死んでしまった。もうひとつレイプシーンがあったが、こちらも似たようなもので、上着を剥ぎブラジャーの紐に手をかけて、ゆさゆさ揺すっていた。こちらは、つい弾みで乳房が見えてしまい、慌てて胸を隠すように強姦が胸を手で覆っていたが、歯止めが利かなくなりつい揉んでしまったというところか?後で分かったが、この二人の強姦はジャキラを眼の敵にしている悪役の子分で、いかに悪役が悪いことをしているかということを分かってもらうシーンだったらしい。インドでは、レイプ=悪者のすることなのか?このレイプシーンを固唾を飲み見入るインド人。そして、私の顔色をうかがうインド人、この人たちには刺激が強すぎるのだろうなぁ・・・まして、女性がこんなもの見るなんてと思っているのだろうか?途中、ジャキラが警官に襲われるシーンで、ジャキラを手助けする女性が現れた。彼女は強くたくましかった。どうやら、この太目の女性がヒロインらしい。そして、昔、生き別れになった太目の踊り子との二役をこなす強力女優。インドの女優はいいねぇ。インド人受けする顔と歌って踊れれば、太っていても女優としてやっていけるんだから。 一番驚いたことに、生き別れの双子が突然再会するシーンがあった。どこかで聴いた曲がバックで流れている。よく聞けば、坂本竜一作曲のラストエンペラーではないか。坂本竜一は、いつ「ジャキラ」に起用されたのだろうか? 時折、電気が消えて、スクリーンがパッと暗くなる。「オー!オー!ピューィ」みんなで一斉にインド式ブーイング。しばらくするとパッとスクリーンに明かりが戻る。そして、再び画面に釘付けになるインド人ども。こんなことが何度も起こる。そのたびにわめくインド人。こんなことが、あのレイプシーンとかで起こったら、暴動が起こるに違いない。二人で顔を見合わせる。 映画が終わってもいないのにビーと言う音とともに出口の扉が開き、暗い館内に明かりがさっと差し込む。どうやら、休憩らしい。この休憩を挟んでもう1時間30分、上映するらしい。あと、1時間30分見る元気がない私達は、外で伸びをして、そのまま帰りの途についてしまった。この映画上映中、通路側に座っていたにもかかわらず、突然、手を触ってきたインド人と、やけに寄り添ってくるインド人に遭遇。一人で見ていたら・・・ちょっと恐ろしくなった。でも、インド映画って不思議と笑ってしまうね・・・ぶふふ |
2001.3.25(日) |