「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記チリ編

2000.10.7(土)

 アンデスを越えるのは3度目だ。今回は、ブエノスアイレス、サンチャゴを結ぶ主要幹線道路を通る事になる。南米最高峰のアコンカグアを望めるらしい。牛次郎で登れるだろうか?心配を胸にガススタを出発。遠くには、遥かアンデスの雪を頂いた山並みが美しく私達を出迎えていた。

 ゆっくりと登り始める牛次郎。今日は、エンジンの調子がイイらしく、わがままをいわない。標高2700m辺りから雪山がまじかに見えるようになる。車を停め、目の前に迫る雪山を仰ぎ見る。圧倒されるほどの空の青と太陽をさんさんと浴びた雪の白が目にまぶしく、広く澄み渡る景色が目に焼き付く。標高3000mを過ぎると空気が薄いのか、ふわふわして気持が良くなる。なんだか手の感覚もあまりなくなった。目は、雪山の白にやられ、はっきり見えないし・・・自分が自分じゃないような感じがした。

 アルゼンチンの国境近くにインカの滝と言う所があり、何気なく立ち寄って見る。何があるのかさっぱり分からず。見れば、黄色い鍾乳石のような岩から水が湧き出していて、その黄色い岩が人口の橋になっていて、川の上にかかっていた。あれは、もしかして・・・温泉?橋を渡り、湧き出している水をさわると、んん、温かい!!正真正銘の温泉だった。うれしくなり、サンダルを脱ぎ足を突っ込む。4日もお風呂に入ってなかったから、全身入って行こうかと思ったが、この温さでは、温泉を出た後に凍え死んでしまいそうなので足だけでやめたものの、とても気持ちが良かった。以前は、保養地だったらしいが、今はやっていないらしく、建物のそこここから温泉が湧き出して廃墟と化していた。アルゼンチンの国境まぢか、遥か遠くに南米最高峰のアコンカグアの雪を頂いた頂上が見えた。これを見られるとは・・・思っても見なかった。

 標高3200m。国境線を越え、チリへ。雪山は変わらず険しい美しいその姿を見せていた。イミグレを越えるとつづら折れの続く道路が現れる。ブレーキの利かない牛次郎には少しキツイが、ゆっくり降りれば大丈夫。遠くは、幾重にも重なった険しい雪山が見え隠れする。そして、美しい雪山を背後にチリの海岸線を目指す。そして、深夜。汐見荘に到着。以前来た時は、改装中で廃屋みたいだったが、すっかり綺麗になっていた。ただいま、帰ってまいりました。

2000.10.6(金)