「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記チリ編

2000.2.7(月)

 フェデックスのカウンターへ行ったら、荷物は空港で止まっていると言われ、しかも商用関税30%を払わなければ渡せないとまで言われてしまった。「このカウンターで払うからここまで持ってきてよ。でも商用じゃないから30%払うのは変じゃない?」と食ってかかるとここに電話してと、電話番号をくれた。とにかくこのフェデックスが頼んでいるブローカーに電話して聞いてくれとのことらしい。

 電話をしてみると、パブロ君が出た。荷物番号を言って「僕の荷物はどうしたのでしょうか?」と聞いてみると「君の荷物は、ここにあるんだけど書類上の関係であと2日待ってほしいんだ」というお答え。「はぁ、で何処に届けてくれるんでしょうか?」「サンチャゴでもビーニャでもどっちでもいいよ。どっちがいい?」迷わずサンチャゴと答えてみる。

 で、「私達、なんで30%も商用関税払わなくちゃいけないんでしょうか?私達タダの旅行者でカメラが壊れたから送ってもらっただけなのに、そんなに関税払わなくちゃいけないんだったらこっちで新しいカメラ買って、その荷物は、申し訳ないけれども送り返して貰おうかと思案していたところなんですよぉ。で、やっぱり払わなくちゃいけないんですか?」と聞くと「いやいや一切払わなくていいですよ。」とあっさり返って来た。そうですか・・・よろしくと電話を切る。一軒落着。

 そして、暇になる。インターネットへ出かけたが、電源を忘れて1分もやらずにカフェを後にする。そのまま、お土産市場に向かうが照りつける陽射しにうめちんが、「早く帰ろうよ。僕、もう疲れたよ」と文句を言い出す。それを聞いて頭に来た私。「じゃあ、いいよ。もう、行かない。ホテルに帰ろう!!じゃなかったら私一人で行ってくるからいいよ」とつっけんどんにいい沈黙。

 「なんだよ、どうしたんだよ突然・・・」ああ、言ってやるよ「うめちんは、1にインターネット、2にインターネット、3,4もインターネット、インターネットやってればそれでいいんだよね。そりゃ仕事だからぁ、しょうがないと思うけど・・・2日前もインターネット行ってるじゃない。お土産市場に行こうってずーっと言ってたのに・・・ぜんぜん聞いてくれなかったじゃないかぁ」とうつむき加減で言ってみた。「そ・そんなぁことないよぉ、だってさぁ・・・」と正当なことを証明しようと話し始まろうとしてたので「いいよ、私がわがままだからいけないんだね、ホテルに帰ろう。もう、2度とお土産市場に行こうって言わないから」と話を遮って歩き出す。「そんなこと・・・k-、お土産市場行こうよ、なッナッ」「ふん、もう行きたくなくなったわ。暑いからホテルに帰るよ」邪険にする。

 それから、モアイ像の所で記念撮影をした後、お土産市場に向って歩き出す二人がいた。が、けして仲直りしたわけではなかった。険悪ムードは、なんとなく漂っていた。そのせいか、単なる寿命か、お土産市場に着くとすぐ私のサンダルの鼻緒が予告もなく切れた。あじゃ、どうしよう!とにかくうめちんに靴屋を探してもらって値段を聞いて貰うが何処も高くて買えるような値段じゃなかった。

 ただ一つ、1500ペソ(300円位)のサンダルがあると言う。とにかかくそれを見に鼻緒の切れたところを親指と一指し指で挟んでサンダルを引きずりながら靴屋に向った。これだよとうめちんが指したサンダルを見て買いたくないと心から思ってしまった。どうも、カッコ悪い。でも、こんな安いのこれしかないし・・・靴がないと帰れないし・・・と悩んだ末に思い切って買うことにした。

 靴屋の店員にこのサンダル見せて、履いてみてもいいかい?」と聞くと「サイズは?」と店の奥にあった椅子に座らされ、壊れたサンダルを差し出し「これと同じ大きさのくれ」と言うと、ドサ袋からサンダルをいくつか引張りだし壊れたサンダルをいくつか合わせ、ダメだと言うように両手の平を上にして「こんな小さいのは、ないよ。でも、ちょっと待ってて」と何処かに行ってしまった。

 しばらくすると悩んだように帰って来て、違う小さなドサ袋に手を突っ込んで小さな釘を取り出したかと思うと壊れた鼻緒にツッさして治してしまった。「これで、どう?」とニコニコしている。いいにきまってるじゃないかぁ。めちゃくちゃお礼を言って「いくら払えばいい?」と聞くと「いやぁ、いらないよ」だって。またまた、お礼を言って、店を出た。なんていい人なんだぁと感激してしまった。

 結局、また鼻緒が切れるのが嫌なので、パレオを2枚買っただけでいそいで家路についてしまったが、険悪だった2人はいつのまにか普通に戻っているのでした。

 夕飯の買物をしていると、私達の目の前に真っ黒い顔に白い八重歯がまぶしい顔がそこに合った。グアテマラで会った登山家チャリダーの旅人にばったり出会ったのだった。彼がサンチャゴに来るのは知ってたが、こんなところで合おうとは思いもよらなかった。そして、再開を喜び、そのままお好み焼き大会に突入。南米最高峰アコンカグア登頂成功を祝ったりと話しが尽きない夜が始まり、そしていつしか朝を迎えようとしていた。

 
2000.2.6(日)