The Best of Violin

バイオリンという西洋の楽器も、インドの人の手にかかるとかように「インド的」なるものになるのかと、まずは驚きました。曲目がラーガであるせいなのかもしれませんが、知らずに聞いたらバイオリンとは思わないでしょうね。聞き流したら、シタールかと思ってしまうかもしれません。
私は娘がバイオリンを習っているので、いったいインドの演奏家が弾くバイオリンとはどんなものぞや、という興味関心から購入しましたが、インドのものに慣れている私でも軽いカルチャーショックを受けました。
かつてバナーラスに住んでいたころ、とある音楽会で著名なギタリストがギターを床に横たえ、琴を弾くように掻き鳴らしたのに驚いたものですけれど（その弾き方とすごいうまさに）、それ以来の「びっくり！」でした。
びっくりが先行したＣＤでしたが、内容的には三人のバイオリニストが弾いており、なかなか聴きごたえがあるものの、正直、上手な演奏家とそうはいえない方のレベルの差が大きいかも。
バイオリン曲としてより、インド伝統音楽として受け止めるといいＣＤですね。
一枚のＣＤを通して、いろいろと楽しめました。
他にバイオリンのＣＤがあるようなら、また購入したいと思います。

「The Best of Violin/V.A」
バイオリンはインドでは、北よりも南インドでより盛んだ。
声楽の伴奏、他の楽器の伴奏、もちろんこのCDに収録されているソロ演奏。
それだけに南インドには名手が多い気がします。
ムリダンガムのビートの上をクネクネと演奏されるだけで南インドへの思いがこみ上げてきます。
このCDを聴いて、あなたは、インド・バイオリンには、北のタブラか、南のムリダンガムのどちらがマッチしているか比べてみるのも一考でしょう。