Band Baja - Folk Tunes By Brass Bands Of Rajasthan

凄いです！最近ブラスバンドに興味があったので、生まれて3枚目のブラスバンドCDとして買ってみましたが、ブラスバンドという概念を打ち砕くサウンドにショックを受けてしまいました。しかし何とも離れられない魅力があり、音量を小・中・大と変えてたのしむうちに、はじめの想像と違ってこの音楽はこれで独立した唯一のジャンルだと感じるようになりました。
リズムパターンはよく聴くとおしゃれなファンクのようでもありますが、しかしながらブラスはトルコ音楽を思わせるようでもあり、雅楽を思わせるようでもあり、巻き毛のようでもあり、と思っているうちに怒涛のような繰り返しの波が押し寄せる…一度聴くと思考の片隅にいつも鳴り響きます。
とにかく演奏者のかたがたが心から愉しみながら演奏しているのが伝わります。
ときに、私たちが想像する西洋音楽の「上手な演奏」とは、リズムも音程もハーモニーも絶対的に「一糸乱れず揃っていること」という美意識が現代はあるのではないかと思いますが、それとはまた違う軸に彼らの美意識があるような気がします。聴いていくうちに自然とそのことに気づかされ、独特の量感の表現などにも気づかされ、こっちのほうが自分の根幹に近いような気もして悩み出すわけです。知らなかった美意識がここにあったな、と発見することは、貴重な体験です。
悩み多き日常ですが、これを聴くと、莫大な「徳」に包まれているような気がしてくるから不思議です。